ADHDの結婚とセックス

続いてもうひとつ、同じソースの引用抜粋です。
これは私が今、現在進行中で悩んでいることなんですが
こと、ADHDのセックスについて、ここまで詳細に書いてくれているのは
始めてみました。とても参考になったので、ご紹介します。


5−3 ADHDが恋愛や結婚に与える影響と対策

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5−3−1 ADHDと恋愛・結婚の関係


ADHDをもつ子どもはは、「自分は出来損ないだ」「自分は何をやってもだめな人間だ」というような

低い自己評価に悩まされています。

そのため、恋愛の場面、そして大人になってからの結婚の場面でも、

この低い自己評価が様々な問題を引き起こします。


長年にわたって低い自己評価を抱えてきたために、恋愛や結婚で相手を選ぶ際にも、

「自分には、このくらいの相手が丁度いい」

「本当はあまり相性が合わない人なんだけれども、自分が付き合えるのはこの程度の相手だけだ」

といったように、普通であれば受け入れることのできないような欠点・短所を持った相手を

パートナーに選んでしまう傾向があります。


またADHDの人は、子どもの時に周囲から拒否されたり、孤独な状況に置かれた経験があるため、

パートナーとの恋愛関係や結婚関係が良好でない場合も、

「相手が可哀想」「こちらから別れを告げるのは悪いような気がする」というような

観念に囚われて、なかなか関係を解消できずに泥沼化してしまうことがあります。


こうした不幸な恋愛・結婚を防止するためには、子供のころから、本人の自尊心を傷つけないような

教育を、地道に継続して行くしかありません。



5−3−2 ADHDが恋愛・結婚に及ぼす好影響


ADHDが恋愛や結婚に与える「好影響」は、以下の通りです。


①創造性の豊かさと自発性

ADHDの人は、日常生活の些細な場面でも創造性を発揮できるため、

誰も思いもつかないような発言をしたり、誰も気付かないような解決策を思いついたりします。

そのため、パートナーとの絆を、いつも新鮮に保つことが出来ます。


②忠実さと思いやり

ADHDの人は、頭であれこれ考えるよりも、感情に基づく行動で、自分の気持ちを表現します。

また自分がADHDによって傷つけられた経験をもっているため、愛する人が悩んだり

傷ついたりしている時も、愛情たっぷりに受け入れてあげることができます。


③直観的な理解力

ADHDの人は、直観的に物事の本質をつかむ力があります。

そのため、人間関係で何らかの問題が起こったときに、トラブルの原因を直観的に察知し、

すばやく問題を解決することができる場合もあります。



5−3−3 ADHDが恋愛・結婚に及ぼす悪影響と対策


●傾向①:「衝動的に行動し、どうみても自分にふさわしくないパートナーを選んでしまう」


【対策】:自分の衝動性が、どのようなパターンで現れるのかを、まず把握しましょう。

衝動性が沸きあがってくるパターンを矯正することは難しいですが、

このパターンが分っていれば、多少なりとも判断を吟味する時間と精神的余裕が生まれます。


●傾向②:「恋愛関係を新鮮に保つために、二人の間に好んで争いごとを持ち込む」


【対策】:ADHDの人は、二人の恋愛関係を新鮮に保つために、無意識のうちに言い争いの種を探して、

パートナーに好んで口論を仕掛けることがあります。また「喧嘩のあとの仲直り」の感覚を好み、

それを味わうためだけに、言い争いを始める人もいます。


しかし、これが毎日続いたのでは、パートナーの方はたまりません。

もっと建設的なやり方で、お互いの間に新鮮な関係を保つよう、努力しましょう。

セラピーを通して自分の対人関係を見つめなおしたり、医師の処方に従って薬を使用することもひとつの手です。


●傾向③:「家事が出来ない、片付けられない」


【対策】:ADHDの人が物事を片付けられないのは、パートナーに対する愛情がないからでは

ありません。ADHDの症状をしっかりと理解し、パートナーの物忘れが激しい、

物事を片付けられないといった症状を、「自分への愛情不足」と勘違いしないようにしましょう。


●傾向④:「コミュニケーション能力が乏しく、同じ失敗を繰り返してしまう」


【対策】:これに関しては、特効薬はありません。「練習あるのみ」です。

専門家や周囲の人々の力を借りて、根気よくコミュニケーションの訓練を重ねましょう。

なお、服薬で全ての問題が解決することはありません。薬で脳機能を改善した後に、

心理面での訓練やサポートが必要になります。パートナーとADHDの特性についてよく話し合い、

建設的なコミュニケーションの方法を作り上げていきましょう。



5−3−4 ADHDがセックス・性生活に及ぼす影響と対策


ADHDがセックスや性生活に及ぼす影響と対策は、以下の通りです。


●影響①:セックスの最中に気が散ってしまう、場合によっては飽きてしまう


【対策】:ADHDの人にとって、今起きていることに注意を集中し続けることは、難しいことです。

それがセックスであっても、例外ではありません。


セックスに興味を集中し続けるには、肉体的な刺激だけではなく、感情的な刺激が必要になります。

なお中枢神経刺激剤の服用によって、セックスの際にも気が散らなくなることがありますので、

必要な方は医師の診断を仰いでみてください。


ここで肝心なことは、ADHDのパートナーがセックスに退屈しているからといって、

それを「自分への愛情の無さ」と、勘違いしないようにすることです。

あくまで原因はADHDであり、愛情不足ではありません。

飽きを防ぐために、毎回セックスの場所や体位を変えて行うのも、有効です。


●影響②:セックスの際の方法や態度に関する話し合いをしても、すぐに相手が忘れてしまう


【対策】:話し合いをする時は、「セックスの直前、かつ手短に」が原則です。

長々と話しこんでしまうと、相手が途中で集中力を失ってしまいます。

またセックスの後に注意や話し合いをしても、次回までには忘れてしまうこともあります。


なお、事前に「毎週月曜日は夫が愛撫して攻める側で、金曜日は妻が攻める側」というように、

パターンを完全に固定化しておくことも、有効な場合があります。


●影響③:セックスに集中しすぎて、パートナーの反応や気持ちに気付かない


【対策】:ADHDの人は、セックスの際の過度の集中(過集中)が原因で、

パートナーの身体を傷つけてしまうこともあります。

これに関しては、事前にパートナーに自分にそういう傾向があることを伝えて、

セックスの最中に不快に感じたら、すぐに行為を中断するように、予め伝えておくことがよいでしょう。


●影響④:過度の性欲があり、一日に何度もセックスを求める


【対策】:パートナーは、一日に何度もセックスを要求されると、

「自分は性欲解消の道具でしかないのか」と思うようになります。

そのため、過度のセックスは、お互いの信頼関係にダメージを与えてしまうことにつながります。

お互いの関係性を損なうほどにセックスへの要求が強い場合は、

セックス中毒を疑ってみる必要があります。


セックス中毒には、幼児期の性的な被虐待経験、及び家庭環境が原因となっている場合もあります。

なおアメリカでは、ADHDの人にはセックス中毒になりやすい傾向がある、ということが

臨床の現場で確認されています。日本では、現時点ではそのようなデータは確認されていないようです。


ADHDが恋愛や結婚に与える影響には、毎日の生活に新鮮さや驚きを与える好ましいものも

ありますが、お互いの信頼関係や生活基盤そのものを崩してしまいような、深刻なものも多いです。

しかし、パートナーと一緒にそういった問題に取り組み、それらを克服することが出来れば、

将来にわたって良好な信頼関係を築けるはずです。

最初に相手に惹きつけられた時の気持ちを思い出して、一歩一歩着実に前進していきましょう。



5−3−5 ADHDと異常性愛・性的倒錯の関係


近年の研究で、成人のADHDの一部が、異常性愛や性的倒錯に走りやすいことがわかってきました。

異常性愛には、子どもを性愛の対象にする小児性愛サディズムマゾヒズム

フェティシズム(下着等への偏愛)、野外露出行為、痴漢やのぞき、盗撮行為、服装倒錯などが該当します。


ADHDと考えられている芸術家のピカソにも、女性への激しい要求や、SM嗜好があったとされています。

また、同じくADHDの音楽家と考えられているモーツァルトにも、

スカトロジー(糞尿嗜好)があったとされています。


もちろん、性に関しては「何が正常で、何が異常か」という線引きをすることは困難ですし、

ADHDの全てに、異常性愛や性的倒錯の傾向が出るわけではありません。

ただし、こうした異常性愛や性的倒錯は、子ども時代に家族から

性的・身体的な虐待を受けた人に、多く見られる傾向があります。


性犯罪につながってしまうような重度の異常性愛・性的倒錯の場合には、

薬物療法心理療法が有効である場合がありますので、専門の医師の診断を仰いでみてください。



ソースはこちら
http://www.privatecare.jp/id5-3.html#1